スーパーでも、ドラッグストアでも、車でも、綺麗な数字で売られているよりも、
端数がある数字の方が売れるという事実。
これって実は人間心理をうまく使った企業戦略なことに気づいていますか?
日本の場合は端数に『8』をつけて198や1,480円などが多く、
お店のポップでも見たことあるんじゃないでしょうか。
海外の場合は『5』にすることが多いらしく、どちらにせよキリのいい数字を使うことは少ないです。
切りのいい数字にする場合、安く見せるというよりも、逆に価値を高く見せるために使われたりします。宝石や高級ブランドなんかはそうですね。
この人間心理を使った価格戦略。これはnoteなどにも活かすことができるんです。
なぜ100円noteや、Kindle 本の99円出版が売れたのか。
その理由の根本を、noteとサイゼリヤの価格設定で解説していきます。
目次
第1章: 端数価格が与える不思議な魅力とは?
スーパーやレストラン、そしてnoteのようなオンラインコンテンツ販売でも、「299円」や「980円」といった端数価格が多用されているのを見かけます。
なぜ、わざわざ中途半端な価格に設定するのでしょうか?
人は、わずか1円の違いで印象が変わる生き物です。
「300円」ではなく「299円」と表示されることで、「安い」と無意識に感じてしまう。この現象の裏には、深い心理学的なメカニズムが隠されています。
本記事では、ファミレス業界の価格戦略の代表例である「サイゼリヤ」を題材に、端数価格の効果をひも解きます。そしてその知見を、noteで収益を上げるための価格設計に応用する方法まで解説していきます。
第2章:サイゼリヤに学ぶ価格設計の裏側
サイゼリヤのメニュー表を見てみると、「299円」「399円」といった税抜き表示が大きく、目を引きます。これは、人間の視覚的判断に影響を与える「左端数字効果(left-digit effect)」を利用したテクニックです。
人の脳は数字の最初の一桁に強く影響されるため、「299円」は「300円よりもかなり安い」と錯覚されやすい。これは、見た瞬間に“得をしたような気分”になる心理効果であり、売上向上に直結する仕掛けなのです。
一方、レジで支払う際の金額は、すべて税込で「300円」「400円」など切りの良い金額に統一されています。これは「計算しやすい」「予算が立てやすい」といったユーザーファーストの発想に基づいています。
端数価格の“安さ演出”と、明朗な税込表示の“安心感”を両立する。
サイゼリヤの価格表示は、ユーザーの心理的負荷を最小限に抑える、極めてロジカルな仕組みなのです。
第3章:心理学的裏付け ── 大台割れ価格のパワー
日本心理学会が発表した「価格の心理学」では、「980円」「2,980円」といった価格設定が私たちの意思決定に大きな影響を与えることが明らかにされています。
その中核をなすのが「評価関数」という心理モデルです。これは、人が価格を見て受け取る印象が線形的ではなく非対称であることを示しています。
例えば:
- 「1000円→980円」の差は、20円以上に“得した”と感じる
- 一方「650円→550円」の変化には、同じ額でも印象の差が薄い
つまり、「大台からのわずかな減額」は、それ以上の効果を生み出す“視覚トリック”のようなものなのです。
なぜ商品の価格には中途半端な端数が多いのか?
動画で詳しく語ってくれています。
心理学と行動経済学を横断する「プロスペクト理論」では、人は「損したくない」という感情に強く支配されているとされます。
この理論に基づくと、1,000円の価格に対して「980円で済んだ」という“損失回避”の満足感は、価格そのものの価値以上に強く働きます。
この心理的トリガーは、消費者の購入意思を押し上げる強力な装置として、端数価格が極めて有効であることを意味します。
第4章:note価格に応用する心理的テクニック
noteでは、読者が記事を購入する際に「ポイント(pt)」を事前にチャージする仕組みが導入されています。このステップにおいて「購入価格」と「ポイント単位」がズレていると、心理的に“手間”を感じてしまい、購入率が落ちることがあります。
そのため、価格設定は以下の2点を同時に満たすことが重要です:
- 「980円」のような端数価格でお得感を演出
- 「1000ptでちょうど払える」ように実利も整える
以下は、心理的に効果があり、かつポイント設計的にも最適な価格帯です。
note価格 | ユーザー心理 | 実利的適合 | 購入しやすさ |
500円 | ワンコインで気軽に買える | 500ptで無駄なし | ◎ |
980円 | 「1000円未満」で得した気分 | 1000ptで一致 | ◎ |
1,480円 | 高単価だが“納得できる価格” | 1500ptで最小ロス | ◯ |
1,980円 | 「2000円超え」を回避できる | 2000ptで一致 | ◎ |
noteの場合、端数をつけすぎるよりも、一回のポイント購入で買える金額、さらに少しのお得感が大事になります
ポイントから計算して無駄のない料金設定。
- 100P → 100円
- 300P → 280円
- 500P → 500円
- 700P → 680円
- 1030P → 980円
- 2070P → 1980円
- 3140P → 2980円
ポイントが足りない、2回に分けてポイント購入する手間を省くことが大事。
ポイントに合わせて、さらにお得感を演出することが大事になるんです。
初期販売価格は「500円」「980円」がベストとされ、段階的に「1,480円」「1,980円」へと上げていく設計が推奨されています。
これは単なる価格操作ではなく、以下の心理効果を組み込んだ高度な誘導設計です:
- 「安い」→即決
- 「ちょっと高い」→信頼されてる感じ
- 「高いけど買ってよかった」→満足度爆上げ+シェアされやすい
第5章:価格設定で売れるnoteを作るための戦略
①初動価格の戦略設計
noteで「まず売れるnoteを作りたい」と考えたとき、最も効果的なのは500円または980円でスタートすることです。
- 500円: 「ワンコインで買える」という安心感と、購入ハードルの低さが特徴。
- 980円: 「1000円未満でお得」と感じさせながら、実利的にも1000ptで支払えてスムーズ。
この価格帯は、読者が「ちょっと試してみよう」と思いやすく、レビュー・拡散・リピーターにつながりやすい土台を築きます。
②中〜高単価帯で信頼とプレミアム感を演出
内容が体系的であったり、具体的なノウハウや再現性が高い情報の場合は、1,480円や1,980円といった高単価帯も非常に有効です。
特に、
- 1,480円: 「この内容なら納得できる」と思わせるボリュームが重要。
- 1,980円: 「ギリ2,000円以下」という“高級感と安心感のバランス”が武器になる。
また、これらの価格帯は高単価であるがゆえに、購入した読者が「ちゃんと読もう」と思う確率も高くなります。その結果、満足度や信頼感が上がり、次の購入へと自然につながっていくのです。
③「価格の戦略的ステップアップ」が鍵
販売初期は500円、次に980円、その後1,480円や1,980円へと“段階的に値上げ”する設計は、FOMO(Fear Of Missing Out=取り残される不安)心理を活用できます。
「次は値上げされるかも」と思わせることで、迷っている読者の購入意思決定を促進できるのです。
【結論 】 端数価格は“売れる仕組み”だった
サイゼリヤの価格設計に見るように、過去の「299円」「399円」といった端数価格も、単なる“見せかけ”のテクニックではなく、科学的根拠と消費者心理に基づいた極めて合理的な戦略です。
この手法は、noteにおける有料記事販売にも完全に応用可能です。
- 「左端数字効果」により、読者は“安い”と錯覚する
- ポイント課金制度との整合性を意識すれば、購入の手間も削減できる
- 「損をしたくない」というプロスペクト理論を刺激すれば、購入率も上がる
つまり、価格は単なる数字ではなく、「読者の心を動かすメッセージ」であるということです。
最終要点
価格帯 | 心理的効果 | 実利性 | 活用シーン |
500円 | ワンコインの安心感 | 無駄なし(500pt) | 初動集客、初めての有料記事に最適 |
980円 | 「1000円未満」の得感 | 無駄なし(1000pt) | 軽いノウハウ系、テスト販売 |
1,480円 | プレミアム感 | 誤差少(1500pt) | 中級以上の講座、深い情報提供 |
1,980円 | 高級感+実利一致 | 無駄なし(2000pt) | 完全講座、集大成note |
価格設定の一手で、売上もブランドも読者の信頼もすべてが変わります。
あなたのnoteに「売れる仕掛け」を組み込む準備は、これで万端です。